教育×読書 世界一やさしい超勉強法(4)インプットしよう!
世界一やさしい超勉強法、第4弾になりました!
前回は、アウトプットの方法についてまとめました。
今回は、アウトプットに必要なインプットの方法についてまとめていきます。
インプット、アウトプットの方法を学び、効率よく知識を定着させましょう!
要約
インプットする
アウトプットする前提でインプットする
『学び効率が最大化するインプット大全』
樺沢紫苑
アウトプットの前提があると、記憶力が上がる
インプットをする際にアウトプットすることを前提にすると記憶力は向上する。
ロンドン大学の研究で、あるものを暗記する際に、一方のグループには「これを暗記してもらった後にテストをする」と伝え、もう一方のグループには「これを暗記してもらった後に他の人に内容を教えてもらう」と伝えた。その後、暗記テストをしてみると、「後で他の人に教えてもらう」と伝えた方が、高い得点を取ったという結果が出た。
アウトプットする予定を「無理矢理」作ってしまう
前提条件を変えるだけで記憶力が高まったのは、「後で人に教える」と言う心理的プレッシャーがかかり緊張状態になったためだ。人間は適度な緊張状態になると脳内物質ノルアドレナリンが分泌され、集中力が高まり記憶力が高まるということだ。そのため、何かを強く覚えたいという場合には、たとえ「無理矢理」にでも、アウトプットする予定を作ってしまうと良い。教える相手は誰でも良い「この内容を、明日わかりやすく教える」と自ら心理的プレッシャーをかければ、インプットの量と質が高まるはずだ。
暗記対象が「マクロ暗記」か「ミクロ暗記」か分類してから覚える
『勉強大全 ひとりひとりにフィットする1からの勉強法』
伊沢拓司
「マクロ暗記」は全体をつかむ
マクロ暗記とは「大枠で覚えておけば良いもの」に適した暗記法。例えば、仕事における「プレゼン」や、数学の「証明」などがそれにあたる。
一字一句を正確に覚えるのではなく、全体の構成やつながりを覚えておけばよいわけだ。
そのため、覚え方としては「少しずつ覚えていく」や「構造を再現できるように反復する」といったことがポイントになってくる。さらに、構成が「いくつのピースできていたか」は押さえておくことが大切である。例えばプレゼンであれば「起承転結の4構成になっている」、国語の文章問題であれば「序論・本論・結論の3構成になっている」などだ。
「ミクロ暗記」は完璧を目指す
反対に、細かなところまで見ていくのがミクロ。漢字や英単語、歴史の年号など、これ基礎に書いてあることを「その通り再現することに意味があるもの」がミクロ暗記すべきものだ。
そのため、意識すべきゴールは「完璧を目指す」ことだ。ざっくり覚えていても、完璧にできなければバツになってしまうため覚え方としてはやはり「定着するまで繰り返す」ことが必要になる。
覚えようとしている対象が「マクロ暗記」か「ミクロ暗記」かを見極め、効率よく記憶していくのがよいだろう。
「雪だるま式記憶術」で効率的に覚える
『出口汪の「最強!」の記憶術』
出口汪
「核」を意識してインプットしていく
代々木ゼミナールや東進ハイスクールで国語科講師を務めた出口汪先生は、「物事は大抵様々な知識が関連付けられている」という。そのため、軸となるものをしっかりと理解して、次に全体を俯瞰するべきである。
「核」を意識して核となることにフォーカスしてインプットしていけば、その周辺の事柄も次第に理解できるようになる。
つまり、1つの事柄の周りにいろいろな事柄がつながっていき、絡み合っていき、どんどん知識が「雪だるま」のように膨らんでいく。
知識の雪だるまはどんどん大きくなる
仮にあなたが、ユニクロに勤めていて会社の歴史を勉強しようとしているとする。単純に歴史年表とにらめっこをして順番に目を打っていても、なかなか覚えられないであろう。
この時、例えばロングセラーアイテムの1つ「フリース」に注目して、これを「核」としてみる。まず、「フリース」が登場した時代背景から調べているうちに、どんな世相だったのか、どんなものが流行していたのかがわかってくる。さらに、ではなぜその時代にフリースが爆発的に売れたのかを調べてみると、日本のファッションのトレンドや歴史についてもわかってくることがあるはずだ。加えて科学の変遷も見ていくと、次第に日本経済の動向や景気の変化などを見えてくるだろう。
そして、「フリース」を中心としてファッション業界は日本経済の景気変動にまで目が行くようになる。
これが「雪だるま式記憶術」と呼ばれるもので、関連するものを数珠つなぎにしていくことで、効率的に記憶している方法である。
繰り返し学習をする際には少しだけレベルアップさせる
『子育てベスト100「最先端の新常識×子どもにいちばん大事なこと」が1冊で全部丸わかり』
ただの繰り返しは「流暢性の罠」に陥る
勉強でもスポーツでも定着を目指し、繰り返し学習、練習することが求められるが、果たして本当に繰り返しだけで良いのだろうか。
発売3ヶ月で全米100万部を突破した「天才!成功する人々の法則」でも「どんな分野でも約1万時間も取り組めば一流になれる」という「1万時間の法則」が取り上げられ、有名になった。
しかし、2020年に発売された本書では、「心理学の研究によると、闇雲に繰り返せば良いと言うわけでもない」と説明している。
具体的には、繰り返し学習をする際に「単調な反復」をしないことだという。
同じ問題集を繰り返しやってたり、同じ漢字を繰り返し書いてみたりしても、なかなか記憶には定着しない。これは心理学で「流暢性の罠」と呼ばれるそうだが、解き方や書き方がすぐに思い出せるほどやったということが逆に脳を油断させ、結局すぐには思い出せなくなるという罠に陥るのだ。
限界を超える負荷をかけ続ける
繰り返し学習を効果的にするには、「変化を織り交ぜる」と良い。反復練習に少し変化を加えた課題を混ぜると、学習能力がアップして記憶も定着するという研究結果がある。
ただ変化させるだけでなく、負荷をかけた方が良いとの説もある。フロリダ州立大学の心理学者であるアンダース・エリクソン教授は、「超一流の人々は少しだけ喧嘩アルコール負荷をかけ続けている」と指摘している。
そのため、くり返し練習で変化を加える際には前回やった問題より少しだけレベルアップした問題も織り交ぜていくと、少しずつ成長することになる。
何も考えずに同じ勉強繰り返すのではなく、少しの変化、そして少しのレベルアップを意識して行うことが大切だ。
教育と関連して
子どもたちに活用できそう、使ってみたいものがいくつもありました!
まずは、「アウトプット前提でインプットする」について、確かに直後にテストする前提で漢字の練習をさせるのと、ただ何となく漢字の練習をさせるのとでは、覚えている量が全然違うように感じます。
子どもたちが自ら、アウトプットのを前提に学習できればよいですが、小学生にはなかなか難しいところがあるので、アウトプットをしなければいけないしくみを作り、インプットの質を高めていきたいと思いました。
次に、「くりかえし学習をする際にはレベルアップさせる」について、学校では知識を定着させるために反復練習が大切だとされています。
同じ様な問題を繰り返し、取り組ませている様子が多くの学校、学級で見られます。「同じような問題を繰り返し、量をこなすことに意味があるのか」と疑問でしたが、同じレベルのものでは、意味が無いことが分かりました。
同じ様な問題だけを繰り返し取り組ませるのではなく、少しずつ難易度を調節し、取り組まさていくことで記憶に定着しやすくなり、意欲も高まると思います。
課題のレベルの調節、大切ですね…。
子どもに合わせたインプットの方法を選択していきたいと思います。