教育×読書 世界一やさしい超勉強法(3)アウトプットしよう!
前回は勉強に取り組み易くなるしくみ作りについてまとめました。
今回は知識をより確かにするために重要なアウトプットについてまとめていきます。
アウトプットの効果的な方法を知り、忘れにくい脳を作りましょう!
要約
アウトプットする
インプットとアウトプットの黄金比「3:7」を意識する
『学びを結果に帰る アウトプット大全』
樺沢紫苑
7:3で「インプット」が多い人ばかり
勉強には読んだり聞いたりする「インプット」と、書いたり答えたりする「アウトプット」があるが、インプットとアウトプットの比率は意識しているだろうか。
大学生を対象にしたある研究では、教科書を読む時間と問題を解く時間をどのように時間配分しているか調べてみたところ、「7:3」でインプットが多かった。これは学生に限らず、情報が溢れ、ネットに触れる時間の多い現在では、誰しもインプットの時間が多い印象がある。
実は、最も効率的な「インプットとアウトプットの黄金比」は全く逆。「3:7」の割合で、アウトプットを多めにするのが良いと言われている。
アウトプットすることで成長につながる
コロンビア大学の心理学者であるアーサー・ゲイツ博士の実験を紹介する。中学2年生までの100人以上の子どもに、人名図鑑の人物プロフィールを覚えて暗唱する指示をした。子供たちに与えた時間は9分だったが、覚える時間と暗唱の練習する時間の割合をグループごとに変えてみたそうだ。そうしたところ、覚える時間を30%にしたグループが最も高得点を取ることができた。今忙しい中で時間がなかなか取れない人も多いかもしれないが、覚えたことを効率的に定着させたい人ほど、積極的にアウトプットする必要がある。
「知的生産」のためのメモを取る
『メモの魔力』
前田裕二
必要な情報をスルーしないために、メモを取る
「メモには2種類ある」と『メモの魔力』の著者である前田裕二氏は言う。
1つは「記録のためのメモ」、そしてもう一つが「知的生産」のためのメモだ。記録のためのメモは、例えば「お買い物メモ」や「To Do リスト」など、覚えておくべきことを書いておく用途だ。社会人が勉強や仕事をする際には、記録だけでなく知的生産のためのメモも取っておくべきである。
具体的に、どのようにメモ役立てれば良いのか。その1つが、「情報獲得の伝導率向上」である。
現代は様々な情報が飛び交っている。自分がやっている勉強に関連した情報もたくさんあるはずだが多くの人はあまりの情報量に対応できず、スルーしている。その情報をキャッチするためにも「メモ」を使うべきだ。常にメモを取る姿勢でいると、「自分にとって有用な情報をキャッチするぞ」と兄ちゃんは本数が増えていき、伝導率が上がっていく。
「2種類のアウトプット」を繰り返す
『夢を叶えるための勉強法』
鈴木光
まずは短期間に大量のアウトプット
インプットして覚えた知識は、実際に問題を解いて描き出すことができなければ意味がない。そのためにも、どんどん問題を解いていく必要がある。ここでは2つのアウトプットを紹介する。
1つ目は、「同じパターンの問題を短期間にたくさん解く」というもの。覚えたての早い段階では、同じパターンの問題を10題、20題と効率の良い解き方ででまずは解いていく。そうすることで変な癖がつきにくく、無駄なく勉強進められるようになる。また、インプットをしてすぐにアウトプットすることになるため、知識の定着を深めることもできる。
時間を空けた上でパターンを変える
2つ目は、「時間を空けてから違ったパターンの問題をまとめて解く」というもの。今度は少し時間を開けることにより、インプットしたことを長期的に「覚えている」という状況にしやすくなる。また、違ったパターンの問題も含めてまとめて解くことで、問題のパターンを判別する練習にもなる。同じ問題をまとめて解く1つ目だけだと、別のパターンが出てきたときに対応できなくなるため、そこを強化する意味にもなる。
このように、2種類を組み合わせて実践することで、効率よく知識を定着していくことができる。
「エアー授業」で成績を伸ばす
『京大芸人式 身の丈に合った勉強法』
菅 広文
「エアー授業」をやってみよう
「エアー授業」とは、「自分の部屋で自分が先生になったつもりで、生徒がいるかのように1人で授業をする」というもの。
途中で詰まってしまったり、説明することができなくなったりする部分もあるだろう。ただ、そういう部分は自分が暗記できていない証拠でもあるわけだ。詰まった部分を改めて見返しながら「エアー授業」を繰り返していくうちに、だんだん記憶も定着していく。
教える方が成績は伸びる
エアー授業も良いが、友達に教える機会がある人は、積極的に教えてあげると感謝され、成績も上がって一石二鳥である。人に教えるとなるとかなりレベルが上がるが、頭の中でしっかりと整理されていないと教えるのは難しいため、「教えるレベル」まで到達できれば、記憶はしっかりと定着しているといえる。
実際、芸人さんの世界でも後輩を連れて飲みに行くことが多いそうだが、そこで先輩が後輩の悩みを聞きながら、自分の仕事へのこだわりや成長するためにやってきたことをまとめて話すことが多いそうだ。
後輩からすると「おごってもらえるし、仕事についての役に立つ話が聞けてラッキー!」と思うそうだが、実は逆。教える機会の多い先輩の方が、どんどん伸びていくことになるのだそうだ。
これも原理は同じで、自分の仕事の話をすることにより、頭の中で現場が整理され、次の戦略などが浮かびやすくなるわけだ。仕事でも勉強でも、積極的に人に教えていく姿勢を身に付けることが大切である。
教育と関連して
エアー授業よくやっていました!「教えるための練習にもなるし、頭にも残りやすいため良いな」と思っていましたが、効果がある方法だったんですね!
人に伝えるために必死に勉強したりまとめたりした部分って記憶に残るものですよね。私が授業をするときには、子どもたちにも「友達に教える」機会を多く設けています。子どもたちが友達に教えているときは決まって嬉しそうにしています。教える方も教えられる方もメリットがあるなんて素敵ですよね。いつも教える側と教えられる側が固定されていると良くないのでみんなが活躍できる場面を設定していきたいですね!