教育×読書 「学校に行きたくない」と子どもが言ったとき親ができること(1)
1要約
子どもがのびのび育つためにできること
子どもは雑談したがっている
「チャイルドライン」という18歳までの子どものための電話の相談機関がある。子どもたちは親や先生、友だちには言えないことを相談したくて電話をかけてくるわけだが、寄せられる相談内容のトップ3にランクインしているのが、「雑談をしたい」である。この傾向は10年ほど続いている。
子どもの興味に寄り添う
普段から雑談ができていると、何かあったときや、つらそうだなと思ったときに「どうしたの?」聞きやすいし、子どもも話しやすくなる。普段の会話を振り返って見ると注意から会話が始まっていないだろうか。
雑談のきっかけとして相手が好きなことを聞いて見るのが良い。ゲームのキャラクターやマンガ、スポーツなど子どもが興味をもっているものに関心をもつのが大切。
子どもが好きなことをやってみる
子どもが思春期に入り、雑談に乗ってきてくれないようなら、子どもが好きなことをやってみると良い。
子どもが動画をみていたら、一緒に動画を見る。ゲームをしていたら一緒にやってみる。このような間接的な肯定は反発に繋がりにくい。話に乗ってきたときに気を付けることは、途中で話を別の方向にもっていかないこと。子どもが今楽しんでいることを一緒に楽しむ。
子どもとの雑談に困ったとき、テレビや動画サイトを使うと話しやすくなる。
テレビや動画といった対象物を挟むことを「会話の三角関係を作る」とも言う。三角形を作ることで親と子があまり向き合わずに会話することができる。
あえて向き合わないようにする理由は、子どもと向き合うと注意をしたくなるから。向き合わずに雑談すると、心が穏やかになると言われている。
子どもの話をコントロールしない
子どもが話始めたら、先に立って話しを先導しようとせず、後をついていくように話を聞く。途中で口をはさみたくなるが、言いたくなる気持ちを抑えて、たくさん聞く。たくさん聞いているうちにどんどん別の話が出てくることがあり、自分の悩みを話したり、気持ちが整理されて子ども自身の心の奥にある気持ちに気付いたりすることがある。
怒っている理由は伝わらない
子どもは、大人が怒っていると「こわい」と感じるだけで、なぜ怒られたのかという理由はよく覚えていない。大人は理由を伝えたいはず。しかし、子どもには肝心の理由が伝わりにくく、怒っているという印象のみが残ってしまうことが多い。
子どもは親の笑顔が好き
一方で、大人が笑顔でいたら、子どもは「今したことはいいことなんだな」と覚えているもの。子どもは親が笑顔か否かで多くのことを判断している。
子は親が笑っている顔が好きでそれだけで安心する。
2感想
自分と関わって
私自身が子どものころに親に話を聞いてもらったり、一緒に同じことをしたりしたときに安心したことを覚えている。一緒に同じゲームをする、同じテレビを見る、一緒に料理を作る、など一緒に楽しんだことは今でも楽しい思い出として残っている。
一方で、話をしていても会話をコントロールされたり、最後まで話を聞いてくれないときもあった。たしかにそのときには「話すのが面倒だな」「聞いてくれないなら話す必要はないな」と感じていた。「子どもの話を最後まで聞く」意識して取り組んでいきたい。
教育と関連して
親としてできることを中心に紹介されていたが、教師としても参考になる点がたくさんあった。雑談をすること、子どもが興味をもっていることに興味をもつこと、子どもと一緒に楽しむこと等。確かに今の子どもたちは、雑談を好む傾向にあるように思う。普段は仕事に追われ、まったり雑談する機会が少ないが、隙間の時間を使って子どもと雑談ができるように意識したい。また、どうしても子どもの話を遮ったり、気になることを口にしてしまいがちである。「最後まで聞く」を心に留めて子どもと接していく。
本書には怒っている理由は伝わらないとあったが、確かにその通りだと思った。普段からどれだけ笑顔で過ごせるかが大切である。心にゆとりをもち子どもたちと一緒に楽しみ、笑顔で過ごせるように心掛ける。