教育×読書 子どもの幸せを一番に考えるのをやめなさい(1) まずは自分が幸せに!

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 「子どもに幸せになってほしい!」親ならば誰もがそう思っていますよね。しかし、今回紹介する本のタイトルは「子どもの幸せを一番に考えることをやめなさい」です。どういうことなのでしょうか?

 今回は、主に親が子どもに与える影響についてまとめていきます。

要約

子供の可能性を伸ばす1番大事な時期は3歳から10歳

 子供の可能性を最大限に広げよう、伸ばそうと考えた時、一番大事な時期は3歳から10歳である。10歳位になると、自分の成績を周りの子と比べて「自分はできない」と思い込んでやる気をなくしてしまうことがある。よく言われる「10歳の壁」である。

 確かにそういう現象はあり、その証拠に、小学校入学直後の子供たちの状況を把握し、小学6年生の時にどんな形で卒業するかを予想しても、ほぼ外れる。しかし、小学3年生の半ばから終わりの頃に卒業時にどうなっているかを予想すると、8割程度、予想した通りになる。

 つまり小1から小3でとりあえず型、あるいは枠組みのようなものが子供の中にできる。そこに例えば「算数は苦手だ」というようなデータが入っていると、「10歳の壁」でもろにそれが表に出てきてしまう。

 逆に言うと、小1から小3の段階、中でも1番重要なのが幼児教育から初等教育への移行過程にある小学1年生だが、この小学校低学年の段階でしっかり鍛えておけば、子供たちは「壁」にぶつかることなくいくらでも伸びていく。

 この時期に学習への抵抗感を減らすのが大切だ。

親のときめきが、子供にポジティブなエネルギーを与える

 子供の進路に迷った場合は親がときめく方を選択するのが良い。子供に与える親の影響は大きい。親の気持ちや方針が定まっているかどうかが子供にとっては一番重要である。親が悩んだり迷ったりしている状態で、子供に決定権を渡してしまってはいけない。

 子供の未来を想い描いたときに、まず親自身がときめいていられるかどうか。ときめきという事は、幸せと言うことだ。親が幸せになり、子供を幸せになれたら、それが1番良い選択肢のはずだ。

 親のほうに迷いがなく、心にときめきがあれば、子供に常にポジティブなエネルギーを送ることができる。それこそが子供への最大の励ましになる。ときめいているからこそ、的確なアドバイスも与えられるだろうし、子供の相談に乗ってやることもできるはずだ。

子供の学力は家族の平和と親の笑顔に左右される

 近年、日本人は知らず知らずのうちに相互に干渉しあい、幸せになりにくい世の中を作ってしまった。人の目は社会の目を気にして、やりたいことが自由にできなくなっている。

 これは島国だからと言うこともあるが、狭い土地に大勢の人が肩を寄せ合うように暮らしていて、頑張っても報われない時代になってきているからだ。

 しかし、この閉鎖性を思い切って打ち破り、自分がやりたいことをするべきだ。幸せな人がやっていることを研究してまねすれば、自分も幸せになれる。幸せな人は周りの人も幸せにする。ならば、誰かを幸せにしようと考えるよりも、まず自分自身が幸せになろうと努力することだ。そうすれば、自分を中心に幸せの方が広がっていくはずだ。妬みにとらわれていると、それが見えて来ず、幸せにはなれない。

 幸せになる人は、人の良いところを見る。褒めるのも上手だ。これに対して不幸な人は、余裕がなく自分にこだわってすぐに人を批判する。幸せな人を見ると対抗意識をむき出しにして、その人から学ぼうとしない。

 ネガティブな感情は伝染する。そのため巻き込まれないように注意し、危ないと思ったら一定の距離をおくことが大切である。

 幸せになろうと思ったら、ポジティブであることが1番大事だ。明るく前向きであること、おおらかであること、少々のことには動じないこと、いろいろなことに挑戦する気持ちがあること。お気楽で能天気なお母さんの子供が結構優秀だったりするのは、その家がポジティブだからだ。

 家庭の中ではお母さんは笑顔でニコニコしてるのが1番だ。そういう家庭では、子供は自分からどんどん動き出すので放っておいても大丈夫である。子供の学力も、家族の平和とお母さんの笑顔に支えられているのだ。

教育と関連して

10歳の壁について

 小学校教員の世界には、「低学年しかもてない」「高学年しかもてない」といった「〇〇年生しか担当できない教員」が一定数見られます。特に低学年は高学年に比べて仕事量が少ないからという理由で低学年の担当しか希望しない人もいます。(もちろんその学年のプロフェッショナルだからいつもその学年という人もいますよ!)また、新採用等の若手は低学年を任せられることが多いです。

 しかし、本書でも述べられているように、低学年までの学習や学習方法が定着しているかどうかは、その後の学校生活、人生に大きな影響を与えます。高学年になると仕事が増え、大変になるのは確かですが、1〜3年生にこそ力を入れる必要があるのではないでしょうか。

親が子どもに与える影響について

 「親がポジティブ、幸せであれば子どもに良い影響を与える」とありました。確かにその通りだと思います。ですが、全員にそれを求めるのは酷ですよね…。どの家庭にも、それぞれの事情があり、ポジティブになれないこともあると思います。「親がポジティブ、幸せであれば子どもに良い影響を与える」ということを知ってもらうことは大切かもしれませんが、それがまた重荷になってしまい悪循環になってしまいまうこともありますよね。難しい…。これを変えるには社会が変わるしかないのでしょうか。だから親ガチャ、教師ガチャなんていう言葉が流行るのですかね。