教育×読書 [図解]トヨタの片づけ
1 片づけをするメリット
トヨタ流片づけで仕事が変わる!
「ムダ」という宝を探す!
「徹底的に無駄を排除する」事は、トヨタの基本思想。片付けをすることで無駄を取り除き、利益に変えることができる。
「4つのムダ」をなくせば、利益が増える。
1 スペースのムダ
→スペースは無料ではない。放置していれば、コストが膨らむ。
2 時間のムダ
→作業場をはじめ、パソコンのデータなど、ルールを決めないと探す時間が生じる。
3 間違えるムダ
→片付けがされていないと、品質不良やクレーム等の問題につながりかねない。
4 とりに行くムダ
→頻繁に使用するにもかかわらず、遠くに置いてあれば、それだけ時間を無駄にする。取りに行く時間は価値を生み出さない。
片付けは雑務じゃない。「仕事そのもの」である。
トヨタには、「何事も5Sから」という考え方がある。これこそ、トヨタの片付けの習慣を支えている屋台骨である。
5Sとは、
- 整理
- 整頓
- 清掃
- 清潔
- しつけ
と言う、職場環境を維持、改善する上で用いる5つの活動の頭文字からとったスローガンのことである。
5Sは、どんな職場でも仕事でも応用できる考え方だ。「片付けができていない」と言う状況は、5Sでほぼ100%解消される。なぜなら、5Sは仕事そのものだからだ。
書類を取り出すのは「10秒以内」
「書類を探す時間」は、積み重なると大きなムダになる。1ヵ月の勤務は約20日。1日30分間書類を探すとすると、1ヵ月では30 × 20 = 600分(10時間)。一年では600 × 12 = 7200分(120時間)。つまり、1年で15日間を無駄にしていることとなる。
ディスクに積まれた書類で、今日使うのはその中のほんの1部のはず。鉄則は、「今日、必要なもの以外はデスクに出さない」ことである。
「きれいにする」がゴールではない
モノを右から左へ移動させ、きれいに「整列」させる事は、トヨタでは片付けとは言わない。まずは「整理」「整頓」の定義をはっきりさせる必要がある。
・整理する
→「いるもの」と「いらないもの」を分け、「いらないもの」は捨てる
・整頓する
→「必要なもの」を「必要なとき」に「必要なだけ」取り出せるようにする
整頓は「何が」「いつ」「どのくらい」必要か決めることが重要である。
2 感想
教育と関連して
学校ではあまり片づけということが意識されていないように思う。意識している人も一定数いるのかもしれないが、やることが多すぎて片づけまで手がまわらず、「長期休みにまとめてやろう」ということも多いのではないだろうか。
「ムダという宝を探す」とあったが学校にはたくさんの「ムダ」で溢れている。それだけ改善される可能性を秘めているということだ。
特に気になるムダが「時間のムダ」である。使い方やデータの扱い等のルールを決めるとあったが、そもそも基本的な操作がままならない人も一定数いる。効率化を図るためにルールを決めても、「できないからやらない」「今までのやり方にこだわり、変わろうとしない」ということがある。
書類に関しても管理の仕方にかなり差があるように感じる。ファイルに整理されていてすぐに書類が取り出せる人、書類が電子化されている人、机の上に常に山積みになっている人、机の上も下も書類だらけになっている人などなど。
書類を探すのに1日30分かかると年間で15日も書類探しに使っていることになるとあった。15日はかなり大きい。
やることが多く、時間がない教師こそ意識して片付け方を変えていかなければならない。