教育×読書 「図解」トヨタの片づけ
1 トヨタの整理術
ムダを減らすトヨタの「整理術」
捨てる「判断基準」をもつ
「いらないもの」を捨てて、モノを減らすには、捨てるための判断基準が必要。トヨタでは、判断基準がしっかりと定められている。
判断基準をどこに置くかで「いる」「いらない」が異なる。捨てるための判断基準があれば、ためらうことなく捨てられる。
「いるもの」「いらないもの」を分ける判断基準が整理には不可欠。
「いつかは使う」には期限を設ける
目の前のものが、「いるもの」なのか、「いらないもの」なのか、時間を判断基準の1つにしている。
身の回りのものは大きく3つに分けられる。
- 今使うもの
- いつか使うもの
- いつまでたっても使わないもの
1の「今使うもの」とは、まさしく今日夜明日に使うもの。すなわち「いるもの」である。
問題は、2の「いつか使うもの」である。身のまわりには、「いつか使うもの」があふれている。「いつか役立つかもしれない」「いつか使うだろう」と言う思いから、ついついため込んでしまう。
これらにどう向き合うかが、整理のポイントになる。
「いつか使うもの」に対しては、必ず「いつまでに使う」と言う期限を設ける。一度期限を設けたら、その期限が「いるもの」と「いらないもの」を分ける判断基準となる。
「いつか使うもの」の期限はできるだけ短くするのがポイント。
人を責めるな。「しくみ」を責めろ
人間の心理に基づいた「しくみ」を作るのが大切。整理を進める上で立ちたがる壁の1つが、「人はモノを隠したがる」ということ。
自分にとって都合の悪いものがあると、人間は隠したくなるという習性がある。
だから、職場やデスク周りには「都合が悪くて隠されたもの」が増える。
こうした状況を防ぐには、人間の心理にアプローチし、対応策を考える。
- 人はどんなときにものを隠そうとするのか
- 人はどうすればものを隠さなくなるのか
と言う考察に基づいて「しくみ」や「しかけ」などのハード面を作っていく。
「いらないもの」探しは壁ぎわから
モノを隠しやすい場所の1つが「壁ぎわ」である。そのため、片付けるときには、最初に「壁ぎわ」を見ること。「いらないもの」は、壁ぎわに置いてしまうからだ。
整理をする際、「まずは壁ぎわから見る」と言う方法は、とても有効である。
壁ぎわ以外にも、人がモノを隠す場所がある。それは、「陰」。何かの陰になっているところにモノを置くと、必ずそこは「吹き溜まり」になる。
そのため、陰の部分を外から見えやすくすれば、ものはたまりにくくなる。
「使わないもの」「使えないもの」を明らかにする
トヨタでは、職場のリーダーが指揮し、メンバー全員で実行する「赤札作戦」により、職場の整理を行っている。
現場には、「使う」「使わない」「使えない」ものがある。それがわかるように、赤札作戦ではまず分類を行う。
「使うもの」とは、すぐに必要になる「いるもの」。
「使わないもの」とは、使うかもしれないから置いておくもの。
「使えないもの」とは、例えば壊れているものや、もはや必要なくなったもの。
赤札作戦では、「使うもの」はそのままにして、「使わないもの」「使えないもの」に赤札を貼る。赤札を貼ったものについては全て、品名、担当者名等を書き出して一覧表にする。
それらの中から、「これはいらない」というものをみんなで見つけて捨てる。
モノの担当者がわかることで、現場が見える化し整理がサクサク進むようになる。
2 感想
自分と関連して
『「いるもの」「いらないもの」を分ける判断基準が整理には不可欠。』
『「いつか使うもの」に対しては、必ず「いつまでに使う」と言う期限を設ける。』
分かってはいるけれど、なかなか実行できていない部分ですね…(特に家の中)
この仕事をやっていると「いつか授業で使うかも!」と思ってついつい取っておいてしまいます…
取っておくのはいいけど、結局使いたいときに見つからなかったなんてこともしばしば。
思い切って捨てられるように意識改革してみよう!
教育と関連して
心にグサっと来たのが、「自分にとって都合の悪いものがあると、人間は隠したくなるという習性がある。」という部分。「とりあえず書類をカゴに入れたり、机の中に入れたりする」のはこれのせいなのかと、納得してしまいました。隠された部分をつくらない。大切ですね…
学校で実施した方が良いと感じたのは、「使わないもの」「使えないもの」を明らかにすること。
壊れたモノや今はもう使えないものも眠っていることが多いように思います。「使うかも」と思って、すぐに捨てられないこともありますが、期限を決めて整理することが重要かと思います。
チームで整理することが大切ですね!