教育×読書 マンガでやさしくわかるアサーション

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1 要約

アサーションとは

 アサーションアメリカで生まれた「自分も相手も大切にする自己表現」と言う意味を持つコミュ二ケーションの考え方と方法である。日本語にはこのような意味を表す言葉は無い。

 アサーションは、双方を大切にするやりとりを考え、その試みをして、双方が理解しあい、葛藤があるときは歩み寄って物事を進めようとするコミュニケーションである。

アサーショントレーニングの誕生

 アサーションの考え方と方法は、アメリカの心理学者ウォルピーによって開発され、最初はカウンセリングの方法の1つとして活用されていた。

 カウンセリングには、内気で人と会話をすることが苦手な人や、コミュニケーションがうまくできない人、つい引っ込み思案になって思ったことが言えない人などが相談に来る。ウォルピーは、その人たちを助けるために、アサーションと言う考え方を自己実現の方法として伝え、訓練した。

3つのタイプの自己表現

非主張的自己表現

→自分の考えや気持ちを言わず、言いたくても自分を抑え、結果として相手の言うことを聞き入れてしまうこと。

攻撃的自己表現

→非主張的自己表現の逆で、自分の考えや気持ちを伝える事はできるのだが、自分の言い分を一方的に通そうとして、言い分を相手に押し付けたり、言い放しにしたりすること。

アサーティブな自己表現

→非主張的自己表現と攻撃的自己表現の黄金率とも言える自己表現。

アサーティブでない自己表現の特徴

 非主張的と攻撃的な自己表現は、年齢や地位の差、権力のある人とない人の関係など、格差を社会的・文化的な習慣として当たり前だと認めているところに生じやすくなる。つまり、ジェンダー・バイアスや差別意識のある所では、無意識のうちにどちらかの表現が使われやすくなる。

2 感想

教育と関連して

 今の子どもたちは非主張的自己表現な子が多いように感じる。また、大人に対しては非主張的自己表現だが、子ども同士の関わりになると攻撃的自己表現に変化するなど、自分の役割や立場に応じて自己主張の方法を変化させていることがある。ネットでの顔、家庭での顔、学校での顔、習い事での顔…今の子どもたちは空気を読み、様々な役割を演じなければいけなくなっていることが関係しているのではと考える。

 アサーティブな自己表現は「自分も相手も大切にするコミュニケーション」である。まず、学級の中からアサーティブな自己表現ができるようにアサーショントレーニングを行う。学級の大半がアサーティブな自己表現ができるようになれば、アサーティブな自己表現の良さを実感することができ、学校の外でも活用できるようになるだろう。

アサーティブな自己表現ができるように、まずは自分がどのタイプなのか振り返るところから初めていこう。