教育×読書 「人に迷惑をかけるな」と言ってはいけない(2) やる気を高める声かけ!

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 「勉強しなさい!」「何回言ったら分かるの?」そんな言葉がけを子どもにしていませんか?

 よく言ってしまうこの言葉、実は子どものやる気を奪ってしまう言葉なのです。言っている側は「しっかりしてほしい」から言っているこの言葉。子どもにはマイナスに伝わってしまうなんてショックですよね…。

 「じゃあどんな言葉を掛ければいいの?」と疑問に思いますよね。

 ということで、今回は「やる気」についてOKな声掛けとNGな声かけについて具体的に見ていきたいと思います。

要約

やる気を失わせる呪い

具体的でないと子どもは動かない

✖️「勉強しなさい」

⭕️この計算、してみない?」

 「勉強しなさい」は、具体的に何をしたらいいか分かっていない人の言葉である。

 よくわからないけれど「とりあえず頑張れ」と言っているだけ。「人生、頑張れ」と言ってるようなもので、何を頑張ったらいいのかはよく分からない。

 課題は何か、どういう方向に頑張ったらいいのかといったことを把握していないばかりか、知ろうともしない人にざっくり「頑張れ」と言われても、「うるさいな」と思うはずだ。それと同じで、課題を知らないまま「頑張れ」と言うのは逆効果である

 課題がわからないまま、とりあえず「勉強しなさい」ではなく、課題を見つけて「この計算、練習してみない?」「絵本を読んでみない?」というように具体的な提案をしてみることが大切である

子どものテストの点数を見たときに

✖️「もうちょっと頑張れたね」

⭕️「どう思った?」

 学習の面で言うと、テストの点が悪かった時はチャンスである。復習して学力を伸ばすことができるからだ。

 テストの結果を見せに来たら、基本的にまず「どう思っているか」を聞くことが大切である。同じ点数でも人によって捉え方が異なるからだ。

 本人の感想を聞いたら「よかったね、嬉しかったね」とか「悔しかったね」と共感する。本人が成功だとか失敗だとか思っていることに対して共感を示せば、自然に頑張ろうと思う気持ちが湧いてくるものである。

教える側の根気が必要

✖️「何回言ったらわかるの?」

⭕️「今、やってみせて通りにやってみて」

 「言葉で言っただけでは伝わりにくい」ことがある。言った側は「こんなに何回も言っているのに、なぜわからないんだ」と思ってしまうが、多くの場合、伝え方に問題がある。

 言葉が相手の頭の中でどうイメージ化されるかは様々だ。ちゃんと伝えるには、丁寧に描写してイメージを統一しなければならない。

子どもの習慣を変える

✖️「もうスマホはやめなさい」「いい加減にゲームをやめなさい」

⭕️ルールを一緒に作る

 「もういい加減スマホはやめなさい」は、お母さんやお父さんがルールになっていて、その時の都合や感情で罰しようとしている。たまりにたまった鬱憤を晴らすように「いつまでやっているの」と声を荒らげたりしている。これでは、「とにかく権力者の機嫌を伺いなさい」というメッセージにしかならない。

 スマホやゲームを与えるときには、子どもと一緒にルール作りをすることが大切である。

 「ゲームは1日1時間だ」と言うのは、だいたい親が子供の承諾なしに勝手に決めていることが多いが、それでは子どもは納得できないだろう。子どもと一緒にルールを作り双方が納得いくルールを作る必要がある。

「やる気がない」とダラダラしているときの声かけ

✖️「やる気ないの?」「やればできるよ」

⭕️「すごいやる気あるじゃん!」

 やる気がなさそうに見える子に対して「やる気ないの?」と言うのは全く意味がない。本当にやる気がない子は、「自分はやる気がないんだな」と気づくだけだ。

 実はやる気があるのに、そうは見えないタイプの子もいる。そういう子に「やる気がないの?」と言うとせっかくのやる気をそぐことになる。

 むしろ、「すごいやる気あるじゃん!」と肩を叩いてあげた方が良い。「やる気」なんて気持ちの問題。「何か褒められた。じゃあちょっとやろうかな」と思ってもらえばOK。

 よく「やる気がないからできない」と言う言い方をするが、これは間違っている。多くの人は、

  1. やる気がある
  2. やる
  3. できるようになる

という3ステップで考えているが、本当は、

  1. やってみる
  2. できるようになる
  3. やる気になる

という順番である。

勉強に集中できない時の声かけ

✖️「集中しなさい!」

⭕️集中できない要因を取り除く

 勉強によって集中力も身に付いていくわけだが、多くの保護者は「集中力がないから勉強がなかなか進まない」と考えている。だが、「集中しなさい」と言って集中できるようになるわけではない。

 集中のためには、環境整備が欠かせない。周知を阻害する要因を見つけ、取り除く。例えば、机の上には今からやる勉強道具しかおかない。漫画本やゲームが目に入らないようにするなどである。

教育と関連して

 ドキッとした項目がいくつもありました。知らず知らずのうちに子どものやる気を奪ってしまっていると反省…。

 まずは、「何回言ったらわかるの?」です。実際に子どもに向かって言うことは無いですが、心の中では(なんで分からないんだろう…)と思ってしまうことはよくあります。口頭だけで分かるだろうと口頭だけで説明してしまうと一定の子が指示が理解できないことがあります。視覚化したり、環境を整えてから伝えることが大切ですね…。

 次に、「やればできるよ」です。ついつい何の根拠もなく、やる気を促すために「大丈夫!できるよ!」と言ってしまうことがありました。また、やる気が出るまでのステップを勘違いしていました。「やる気があるからできるようになる」ではなく「できるようになるからやる気になる」。よく考えたら当然ですよね。大人でもできないことをやる気出してやるのは難しいですよね。

 特に、苦手なことに取り組むときには、スモールステップで課題を出し、「できる→やる気になる」を目指して取り組んでいきたいと思います!