教育×読書 読書する家族のつくりかた みんなで楽しく読書!
「子どもが読書をしない!」「たまには本を読んでほしい!」そんな悩みを抱えている人は少なくないのでないでしょうか。
私が担当していた学級でも、本を読まない児童が多かった記憶があります。「本を少しでも読んでほしい!」「読書好きな子を育てたい!」そんな子に育てる手がかりとなる情報についてまとめました。
要約
なぜ読書をしないのか?
「子どもが本を読もうとしない」「子どもに本を勧めても拒否することさえある」子どもと読書という問題についてこういった悩みを抱えている人は少なくないのではないだろうか。
今、子どもたちの周りにはYouTubeやSNS、テレビなど魅力的なもので溢れている。一昔前は時間を潰すために本を読んでいる子も少なくはなかった。しかし、今では本より魅力的なものがたくさんある。本の優先度が下がってしまっているのだ。
大人もそうではないだろうか。本を読む数が以前よりも減っているのではなないだろうか。大人も時間があればスマートフォンでネットサーフィンをしたりSNSを見たり動画を見たりしている。
でも、それは当然なことである。今の時代、楽しい事はいくらだってあるのだから。新聞や本などの紙媒体しか情報源がなく、それらの優先順位が高かった時代とは違い、今や私たちの周囲は楽しいこと、刺激的なことがありふれている。そのため、今の時代、読書の価値を一番に持ってくる事は不可能に近い。
大切なのは、「まず読書!」と堅苦しく考えることでなく、数多くの楽しいことの1つとして本を続けることではないだろうか。そう捉えることができれば本との共存も難しくはなくなるし、少しずつ読書の時間を増やしていくことも可能になると考えられる。
読書が辛くなるのは、記憶しようとするから
読んだ本の内容を「忘れてもかまわない」という考え方がある。
もちろん、忘れないに越した事は無い。また、世の中には圧倒的な読書能力やそれに付随する記憶力を持った人がいるのも事実である。しかし、そういう人は例外である。例外だから、結果的に見合ってしまうだけのこと。多くの人の場合は基本的に、全てを記憶することなどは不可能である。
それなのに、「忘れてしまう自分が劣っている」と自分を追い詰めてしまう人は少なくない。それは間違いである。そんなふうに考えてしまうからこそ、余計に読書が辛くなってしまう。
そんなことをしていても何も変わらないし、どんどん悪い方向へ進んでしまうだけ。それでは意味がないため、「忘れる」ことを「当然」と考えれば良い。
第一本の内容は、「記憶性」と一言だからといって記憶できるものではない。ではどうすれば良いのだろうか。
本を読むとき、その内容を頭の中に溜め込もうとせず、シンプルに流す。すなわち「フロー」させる。「内容を記憶するぞ!」と意気込まず、ただ流していけば良いということだ。
なぜなら、フローさせれば、記憶しようと意気込まなくても、自分にとって必要な事は自然と脳に引っかかるものだからである。脳内に幅があって、必要な要素だけがそこに引っかかるとイメージすればわかりやすい。
家族でできるおすすめの読書ゲーム
ここでは家族でできる読書を習慣化する読書ゲームを紹介する。
親子で一緒に読書習慣ゲーム
- 朝10分間(難しければ最初は5分でも)読書時間を確保
- タイムキーパーが、10分後になるように目覚まし時計を設定
- 家族全員、テーブルで顔を突き合わせて読書
- 月に1度、今月1番多く読んだ人コンテストを開催
- 優勝者はポイントをもらえる
借りてきた本公開ゲーム
- 家族で図書館へ行き、集合時刻を決めてから散らばる
- 各人がそれぞれ、興味のある本を借りる
- 集合してからも、選んだ本の話をしないでおく
- 帰宅後、みんなで描いてきた本を公開しあい、選んだ理由を家族に明かす
読書掲示板を作る
- メモや写真を入れるコルクボードを用意し家族がよく通る場所に置く。そのコルクボードに各人が読んでいる本の署名などを書いたメモなどを貼り付ける。
- 今読んでいる本
- 一言感想
- 家族にお勧めしたい本
- 先週読んだ本の冊数
- 家族へのコメント
- 落書き
- 本の写真など
読者プレゼン大会
ポイント
- 表現方法は自由
- ただし既存の表彰などに頼ることなく、自分の言葉で魅力を伝える
- 聞き手が飽きないように、時間配分も考慮
伝えるべき内容
- どんな本なのかに関する簡単な説明
- ストーリーやおおまかな内容など
- 自分にとって印象的だった部分
- 読んだ結果、自分がどう変わったか
- 読んだ人が得られるメリット
- デメリットがあればデメリットも
SNS読書会
家族だけが見られる「読書アカウント」をSNS上に作り、そこを交流の場にする。
- SNS上に読者アカウントを作り、いつでもアクセスできるようにする
- 基本的には、本に関する家族間の議論の展開が目的だが、堅苦しく考える必要はない
- 箇条書きでも、書きっぱなしでもok
- 「1日に1度アクセスし、何かを書き込む」と言うような、衣類決まりを作る
- 各人が、読んだ本のことを、読んでいる本の事について何か書く
- 気になる本の表紙の写真をアップするなどでもok
- に関する話題がない場合は、無関係な話題でもか
- お勧めの本がある人はオススメとしてそれを紹介し、家族に読むことを勧める
- その他、本に関することを自由に書き込める場として機能させる
教育と関連して
読書の優先順位が下がってきているというのはその通りだと思います。私自身が小学生の頃、ゲームが手に入るまでは割と本を読んでいたような記憶があります。ゲームが手に入ってからは本を読む事はめっきり少なくなってしまいました。本は嫌いではなかったのですが、ゲームの方が魅力的で本を読む気にはなれなかったのです。
今はゲームだけでなく、もっと魅力的なものがたくさん溢れています。本を読まないのも納得です。
そのために学校としてはまず、本の優先度を上げる方策を考える必要があります。
お勧めの読書ゲームに全て共通するものは「コミニケーション」です。友達同士の関わりの中で本の楽しさに気づくことができれば、読書を習慣化することができると思います。
読書プレゼン大会やSNS読書会は特に効果的だと考えます。ギガスクール構想で1人1台端末が配布されたことによりプレゼンを作成することが難しくなくなりました。SNSのアカウントを所有することは難しいですが、GoogleのサービスであるGoogleサイトを使ってクラスの子どもたちや学校の子どもたちだけが閲覧できるホームページを作り、そこでお勧めの本を紹介したり、本について交流する場にする事は可能であると考えます。自分たちでホームページを作ることができることで意欲はさらに高まると考えます。
読書に親しむことができる子を育てるためににまずは大人から読書に親しみましょう!