教育×読書 10歳のミッション(1) 学びのミッション!

 今回は10歳のミッション キミを一生ささえる31の行動についてまとめていきます。

 本書は、10歳になる、10歳になった人に向けたミッションがたくさん紹介されています。しかし、タイトルにも「キミを一生ささえる」とあるように、大人になっても大切なことがたくさん書かれていました。

 第1回目では、学びのミッションについてまとめていきます。

要約

学びのミッション1

「やるぞ」と決めて勉強せよ

 勉強って何の役にたつのだろう。そう思った事は無いだろうか。

 たくさん勉強すると多くのものを得ることができる。勉強をしなくてはならない時にしたという経験が自信となり未来の自分を支えてくれるであろう。

 ダラダラと取り組む勉強には、あまり意味がない。「やるぞ」と自分で決めて、勉強することが大切だ。

 「私は勉強が苦手だ」と思っている人もいるだろう。しかし考えてみてほしい。あなたは本当に勉強が苦手なのだろうか。そうではなくて、勉強しようと「やる気を出す」ことが苦手なのではないだろうか。

 やる気がないだけで、「勉強ができない」と勘違いしているのだとしたら、もったいない。まずは5分でいいからやってみることが大切だ。

 子供の頃から、「めんどくさいけどがんばってやろう」とやる気を出して勉強してきた人は、大人になっても「やる」を選ぶことができる。

 1回1回の小さな「やろう」が、100回、1000回と積み重なると、ものすごく大きな力になる。

 勉強する事は、自分の可能性を大きく広げていくことだ。そうすることで、人生の選択肢が増えていく。やりたい仕事を選べる、好きなことができると言うのは、自分の幸福感に大きく変わってくる。

学びのミッション2

予習・復習で自信をつけよ!

 勉強があまり得意でないと思ってる人にオススメなのは、予習をすることだ。授業がどんな内容なのか前もってわかっていると、先生の話を聞きたいときに、頭へスムーズに入ってくる。

 予習というのは、あらかじめ頭の中で地図を作っておくことだ。なんとなくでも、その場所への行き方がわかっていると、心強いだろう。

 予習しておくと、学習内容を既に知っているので、授業が確認作業、いわば復習になる。予習をすることで授業が楽に感じられるだろう。

 次は復習についてだ。学校のテストなどで間違えた問題をそのままにしていないだろうか。間違いは自分を成長させる宝物だから、復習してできるようにすることが大切である。

 間違えた事は、すぐにその場で直し、同じ間違いを2度しないこと。これが復習力だ。できなかったことが何かを見つけ、それを繰り返し練習していくと、気づいたときにはできるようになっている。このプロセスは大人になってからも役に立つであろう。

学びのミッション3

間違えてもいいから自分の考えを述べよ!

 学校では主に、見て、覚えて、問題に答えるというような、伝統的な学習法で勉強している。一方で、自分で新しい考えを生み出すことも、学びの1つだ。間違ってもいいので、自分の考えや意見を言ってみることが大切である。

 「みんながこう言っているから、こうかな」と周りを見てなんとなく決めてしまう事は無いだろうか。たとえ、周りに同じ意見の人がいなくても、自分の考えをはっきり持って、自分で決めることが大切だ。

 自分で決めることを先送りにしていると、大人になってからも考えのない人になる。大人になった時、仕事の会議で誰か解決案はありませんかと聞かれた時、「特にありません」と答えてしまう人になる。

 どんなときでも、自分の考えを持つのは大切なことだ。

 自分の意見を言うときは、恥ずかしがらずに、勇気を持って堂々と話すと良い。

 ただ、気をつけるべきなのは、人をむやみに傷つけないことと、決めつけすぎないことだ

 あなたと正反対の意見を持つ人がいるかもしれない。よく調べずに決めつけてしまうと、事実と違うことを言ってしまったり、間違いが起きたりすることがある。しっかりと事実を確かめてから発言することが大切だ。

学びのミッション4

本を読んで、人生の味方を増やせ!

 ご飯を食べると身長が伸びるように、本を読むことで心が大きく成長していく。

 本の世界に入り込むと、その世界が自分にとってのもう一つの世界になる。想像力が掻き立てられて、頭の中にすごく豊かな世界が広がる。これはとても楽しいことだ。

 本を読むよりも、友達と過ごす方が好きな人もいるであろう。

 けれども友達は、あなたと同じような世界の見方をしてることが多いだろう。仲が良い友達は、あなたと似たようなものが好きで、あなたと似たようなことを考えているのではないだろうか。

 本の作者の中には、飛び抜けた想像力の持ち主がいる。物語を通して、友達との会話の中では決して生まれないような、豊かなイメージや考え方をこっそりと教えてくれるのだ。

学びのミッション5

音読をして、頭の回転を良くするべし!

 音読には、脳を活性化させ、考える力を高める効果がある。

 さらに、早く読もうとすると、文字を追う目が早く進む。同時に、声を出す口も、的確に動かさなければならない。結果として、頭の回転が良くなるのだ。

 音読で頭の回転が良いという状態が掴めると、その後他のことをやる時にも、頭の働きが良いままでいられる。

 例えば、相手が次に言いたいことを自然に予想できるようになる。頭の回転が良いので、気持ちにも余裕ができる。

 頭の回転を良くする習慣は、学ぶ上ですごく大事だ。早く正確に、ということを続けていると、不思議とミスが少なくなる。

教育と関連して

 どの項目も、ぜひ子どもたちに知って欲しい考え方でした。特に伝えたいと思ったのが、「予習、復習をすること」「間違えてもよいから自分の考えを述べること」の2つでした。

 予習、復習について、塾などで予習をしている子はよく見られますが、自分で進んで予習をやってくる子は少ないように感じます。予習をする事のメリットを知らなかったり、小学校の段階では予習をしなくても学校の授業を聞けば理解することができる児童が多いからだと思います。小学生の段階から復習を身に付けることができれば、中学、高校、大学と学習では困る事はなくなるでしょう。予習のメリットを実感させ習慣化につながるような取り組みを行っていきたいと思います。

 復習について、宿題等で無理矢理やらされるのと、自発的に取り組むのでは定着度に差があるように感じられます。予習→授業→復習のサイクルをそれぞれが自分で回すことができるように支援していく必要がありますね。

 自分の意見を述べることについて、本書では、「間違ってもいいので、自分の考えや意見を言ってみることが大切である。」とありましたが、本当にその通りだと思います。

 周りの空気を読んで自分の意見が言えないという子どもが多いように感じます。自分の考えを言わないと、だんだん自分で考えることが少なくなり、豊かな発想が生まれなくなっていくと思います。小学生の段階からどんどん自分の考えを伝え合い、お互いに認めあったり、議論しあったりする場が大切ですね!